プロジェクトについて

PIONEプロジェクトについて

PIONEプロジェクトの概要

岡山大学医療人キャリアセンターMUSCAT(現在は岡山大学病院ダイバーシティ推進センターに統合)では、平成22年に岡山県の寄付講座として設立された地域医療人材育成講座とともに、地域医療を担う人材の育成と女性医療人のキャリア支援および男女共同参画の実現を目指して地域と協働した活動を進めています。
その中で目指したのが、県北、特に新見地区との連携です。


我々は新見地区を地域医療人材の育成拠点と位置付け、平成26年度には新見市より岡山大学に寄付を頂き、キャリアセンターサテライトオフィスを新見公立大学内に設立し、岡山県北部地域の女性医師・医療人を応援するサポートプロジェクト(PIONEプロジェクト:Productive Interactive Okayama Niimi Empowerment)として溝尾妙子医師を中心に様々な地域医療支援ならびに医療人支援活動を展開しています。さらに平成27年度には厚生労働省「平成27年度女性医師キャリア支援モデル普及推進事業」に採択され、他職種や地域住民との交流ミーティングやシミュレーショントレーニングの開催など、地域で働く医療人のキャリア支援活動に取り組んでいます。

岡山県北医療機関でのキャリア支援制度導入・環境整備支援

平成19年度に岡山大学病院にて始まったMUSCATプロジェクトにより、ライフイベントによって離職せざるをえなかった医師らのキャリア継続が可能となり、また一時休職した場合であっても再度現場に戻るための道筋が整うなど、医師確保の面からも制度の有用性が明らかになりました。そこで今後は本制度を地域の病院でも活用して頂くべく、支援制度導入のサポートやノウハウのご提供を行っています。
特にパイロット地区と位置づけた新見地区において制度導入を働きかけ、平成27年度より1名の医師が短時間勤務で新見市内の医療機関(医療法人 思誠会 渡辺病院)にて復職を果たし、平成28年4月からは常勤医師として勤務している実績があります。

PIONEプロジェクトの主な取り組み

地域で働く医療者のキャリアサポート(知識面)

岡山大学で開催される医療セミナーや研修をリアルタイムで地域に配信。距離的な制約のため、研修会への参加機会が制限されることなく、最新の医学知識を学ぶことができます。またストリーミングではなく双方向通信のため、その場で講師に質問もすることも可能です。

地域で働く医療者のキャリアサポート(技術面)

地域のニーズや実情に即したシナリオのもとで、看護師や介護士、療法士などの医療者を対応とした急変時の対応を学ぶシミュレーショントレーニングを定期的に開催しています。トレーニングを通じて多職種間の連携や効果的な報告方法についても確認をしています。

医療者と住民によるネットワーク構築

地域が抱える医療的な課題について、住民と医療者が意見を出し合い、解決策を探る住民参加型のシンポジウムを開催しています。 お互いの立場や課題を理解し、医療者と住民が協力し合いながら、より暮らしやすい地域にしていくための場となっています。

地域の医療現場での指導者育成

医学教育FDコース(遠隔講義)やシミュレーショントレーニングを通じ、地域の医療現場で指導的立場の人材を育成し、地域の中での指導体制を整えています。

地域医療への貢献

新見市内の医療機関に乳腺外来を設立し、地域の医療機関で診察をしています。

次世代の地域医療を担う人材育成活動

市内の小・中・高校などに出向いて医師の仕事を紹介し、医療に関心を持ってもらうことで将来の地域医療を担う人材の育成にも注力しています。

子どもメディカルラリーの実施

新見市内の小学生を対象に、子どもたちが心肺蘇生法や応急手当の方法を実践で学ぶイベントを開催しています。